「秋の日」

 久しぶりに 歩いた

 といっても

 わずか1キロほどの道


 車を使えば わずかに数分

 山ブドウを 奥さんが見つけた

 群がる子ども達 


 公園につくと 春に見た桜が じっといる

 敷物に座ると 土の軟らかさが ありがたい

 さっき握ってもらったおにぎりが うまい


 食後は 待ちかねた子ども達が 公園へと走る

 別におあずけしていたわけではないのだが すまない気持ちに

 見慣れた公園が なんだか良い公園に見えた 


 マラソン大会を控えた長女と 一緒に走ってみたい そう思っていた

 とことことこ

 決して燃費が良い走りとは言えないが 思わぬ早さに 慌てる


 ブランコで次女がふくれている 少し高い 乗せて欲しいのだ

 「乗せて!って一言 言えばいいのに」と かわいくないのは父の方か

 満足そうな笑顔 乗れればいいのだ それが最上


 ブランコで近づき 離れる 子ども達

 指で腹をつっつくと 頭のてっぺんから 声を出す

 何のことはないのだが 至上の時間なのだろう いっては かえるだけなのに


 帰途につく

 また山ブドウ 行く時なかった くるみ

 自分たちだけの おみやげ


 そんな秋の日