「ジャイアンツ原監督に一言」

 小さい頃、巨人ファンだった。 

 何せ周りがほとんどそうだったのだ。

 友人たちとも野球をけっこうやっていた。部活に入ろうと思うほど、真剣でもなかったのだが。

 
 年を取る毎に、野球から疎遠になり、今ではひいきのチームもない。

 情報は、新聞のスポーツ欄を見る程度である。

 たまにTVでちらっと見たりもする。


 ただ、小さい時の記憶というのは容易に消えず、「巨人」と出ると目で追う自分がいる。

 今の監督は原監督だ。

 私の子どもの時は、クロマティ、原さんの時代だ。

 
 不思議な気持ちで見守っている。あの時の選手が監督なのだから。

 年齢の割には「若い」顔立ちなだけに、目にすると、「まだ選手でいけるんじゃない?」なんて思う。

 温かい目で見ている私がいる。


 ただ、前から少し気になっていることがある。

 それは、原監督の「瞬き」の回数だ。

 異様に少ない感じがするのだ。

 
 真剣な雰囲気が漂うのは当然だが、反面、余裕が無く見えて仕方がないのだ。

 指揮官が野球をするわけではない。「たぬき」監督でも少し困る気がするが。

 根を詰めすぎている、と端から見てすぐ分かってしまうのは、原監督の本意ではないだろう。


 器は大きいのだから、どしんと腰を据えていいのではないかと思う。

 原監督の胃に穴が空く前に。

 「ファイト 監督!」