「結婚式の憂鬱。」

 自分の結婚式以来だ。「披露パーティ」的な「今どき」の会だった。

 さり気なく新郎の様子をうかがう自分がいた。

 過去の自分の姿を重ね、変な気分だった。
 

 一言かけて新郎新婦の前を通り過ぎる。

 二言かけると、二人の大切な時間を奪ってしまう気がしたのだ。

 自分がうまくいかなかった部分を思い出し、アドバイスでもないのだが、気が楽になるように努めた。


 結婚式の一つの側面として、親戚同士の「顔合わせ」がある。

 こちらは自分のためのもののはず、なのだが、うまくいかなかった。

 私は、一回の出会いで人間関係が深まるとは思えない。


 「それにしたって丁寧にお辞儀をして顔を見せておけ」というのが正論だと思うが、できないのだ。

 なんとしても「深めよう」とし、サービスしようとしてしまう。

 当然「何だこいつ」という目で見られることも多い。


 初めから「一回きり」と思わなければ落ち着いて接することが出来るのだが・・・。

 帰り道、家族だけになって一息ついた。

 やはり自分の家族が一番である。