「あいさつは探針音。」

 相手の気持ちが分からない時。

 初対面の相手と関わる時。

 浮ついている時。


 そんな時、「ふっ」と寒々しい思いに駆られることはないだろうか。

 何も感じない人はいい。

 感じないわけはないのだが、その気持ちを反古にして平常を保てる人はいい。


 私は、「寒々しく」なった心を暖めるべく、行動しようとする。

 相手を「理解したい」と切に思うのだ。

 そんな時、「あいさつ」に一工夫する。


 相手に「あいさつ」をするのだ。その時感じたトーンで。

 それ自体は雰囲気に何ら影響を及ぼさない。

 相手がいる「テンション」動きの「方向」のみをまず知りたいのだ。


 潜水艦好きの人。かわぐちかいじ氏の「沈黙の艦隊」シリーズを読んだ人ならピンと来るだろう。

 「ピンガー(探針音)」だ。

 それを「打つ」ことで相手の潜水艦の位置、方向が分かる潜水艦・戦闘艇特有の現状把握の手段である。


 もともと、そうやたら「打つ」ものではない。

 自分位置等の情報も伝わってしまうのだから。

 だが、これは人間関係の話。


 コミュニケーションを相手との会話・意思疎通の機会ととらえてみる。

 真実を 聞きたいならば、必然的にこちらから働きかける必要がある。

 相手あっての「やり取り」なのだから。

 
 ただ「何でもかんでも」伝えればいい、というわけではない。

 伝わるよう、下ごしらえが必要だ、

 その第一歩があいさつだ。こう言うと「小学生」みたい、といわれそうだが・・・。


 本題は「あいさつ」の次の「関わり」なのだが、まずはあいさつ。

 「ピンガー」を放ち、相手の様子をつかむ。

 「材料」を集めるために。