「いつもの電話。」

 いつもの通り

 帰りを知らせる電話をかけた

 今日は少し遅い 


 誰が出るかと思いながら 電子音を聞く

 長女だ

 
 用件は毎回ほぼ同じだ

 「今帰る」「何か買って帰るモノあるか」だ

 いつもの用件が終わり 切ろうとすると


 娘が何か言いたげだ

 
 何?と尋ねると


 少し間をおき

 「あのね 金魚が一匹死んだの」 と

 
 字面では読み切れない

 「死んだの」に込められた 思いを感じ

 また 少し娘が大きくなったと 感じた


 それと


 金魚がかわいそう そう思った