「そんな時。」

 空の青さに気付くのは

 その青さに 染まってしまいたいと 思う時


 風の冷たさに 身を縮めるのは

 その力に抗わんと 思う時


 道行く人に気を取られるのは

 どこかさびしいと 思う時か

 
 我が子の叫び声に

 思わず声を荒げるのは ただただ余裕がない そんな病みつつある 時


 声を張り 溌剌として見えるのは

 生気を失おうとする身体に むち打つ時


 ただ ぶつぶつと 何か語ろうとするのは

 疲れ果てた 今だから か