「猿岩石さんたちのあの旅~本当の国際理解とは。」

 ふと、考えた。

 私はどれだけ他国を知っているのかと。

 夏休みはいつも羽田から出て行く観光客をTVで見守る私が。


 私は一度も日本から出たことがない。

 北海道以外の土地すら怪しいものだ。

 沖縄、東京、京都、大阪、東北地方。あぁ、敦賀能登と旅行したっけ。それぐらい。それも観光スポ

ットのみだ。


 「他国を知る。」ということは、他国人の「考え方」を知ることである。

 そのためには、その国の歴史を知らねばならない。つまり、文化をである。衣・食・住も含まれる。文

化の成り立ちの底流だから。

 これらを知るには、「観光地」では無理だ。その国のいわば「よそ行き」の部分だからだ。食べ物の嗜

好くらいは分かるかもしれないが。


 つまり、無理なのだ。日本に住んでいる限り。

 本を読んでも、TVを見ても。

 その国の空気(文化)を吸わなければ。


 数日前、ふと一昔前にはやった「白い雲のように」を思い出した。

 あの人たちの、あの旅を覚えているだろうか。

 脚色・やらせもあっただろう。全て本当にあのままやっていたら、死んでいただろうから。


 しかし、あの番組が視聴者に放ったメッセージこそ「本当の国際理解」でなかったかと思うのだ。

 本当の「旅」って何だ、と。

 あんな旅がしたいなぁ、と、思い出した。