「本質」って何

 「本当の性質」でしょうか。
 大学生の時「本質」ということばを使い、教授に叱られたことがある。「軽はずみに使うな。(使えなる言葉ではない)」というのが、そこでの会話の「本質」だったと思う。
 製品で言えば「原材料名」の羅列が、その製品の性質か、というとそうではないだろう。その製品を使用(食べたり、実際にその効用?を求めて使用したり)する際の「イメージ」が「本質」にあたる、のだろう。
 いざ、身の回りのものに視線を向け、それらの「本質」を考え出すと、「はて?」と思ってしまう。こうして「構えて」考えると余計のもの・事を「それ」に肉付けしてしまい、かえって「本質」が見えてこないのだ。「それ」を見て、「それ」としか思えないもの、つまり、「それ」を最低限の言葉で言い表せるもの。それこそが「本質」を探り当てた「もの」なのだろう。
 子どもが尋ねる。「これ何」と。
 これこそ「本質」を問う言葉だ。そんな目で「もの」を見る目を忘れないで持っていたいと思う。