「ためいき」

 一度止めて(溜めて)息を吐くから「ためいき」なのだろう。この言葉には、「幸せが逃げる」「また○○ついて」など、「ネガティヴ」な使われ方をすることが多い。私が「ためいき」を使う場面を思い起こしてみると、「ほっと」した瞬間、「くつろいでいる」時、「落ち着きたいとき(深呼吸のきっかけ)」等々、安心しているとき・したいときに、それを「吐く」ことが多いように思う。その「ためいき」は自分のみが気づく行為である。
 「コミュニケーション」つまり「相手」がいる。そのときに、「相手」が「ためいき」に気付く(あえて気づくように行われた場合も含む)「ためいき」には、明らかな「意図」がある。今自分は「不満」「否定」「失望」といった「ネガティヴ」な感情を抱いている。それを相手に理解しろという「投げかけ」である。「ためいき」を吐く人間には「優越感(またはそれに類する感情)」があるのだ。「吐く」人間は傷つかない。こんな「ためいき」をつかないようにしたいと、思う。