「身に付く」のか?

 人生の転機とも言うべき言葉に巡り会った、とする。

 人生ひっくり返るほどの経験をした、とする。

 その瞬間から人は変われるか、というと、そうではない。

 変わった気がするだけだ。
 
 もし、本当に「変わった」という人がいるならば、もっと前に変わり始めていたはずだ、と思うのだ。

 きっかけはもっとずっと前にあった、はずだと。

 「身につく」という言葉がある。

 人は、知識、経験その他諸々を「身につけながら」1つの人格を形成していく。

 「身につけよう」という意識なしに「身に付いていく」モノが大半だ。

 残りが「身につけたくない」けど「ついちゃった」もの。

 自分が「身につけたい」と思うものほど、「ついてくれない」。

 素直に生きていく。「素直」の定義も大変だが、さしあたってそれが一番なのだろう。

 自然に老いていく。「自然」も考え一つで、解釈も変わるけれど。

 肩の力を抜かなくちゃ。