「コーヒーは砂糖何杯?」

 コーヒー通の人は言うだろう。

 「砂糖入れるなんて邪道」と。

 しかし、私は、人目がないとスプーン3杯か、もうちょっと入れる。
 
 しかもミルクも。

 喫茶店で飲む高いコーヒーは、入れない時もある。

 「値段相応にきちんと味わいを確かめなければ」という真剣モードゆえにである。

 ほっとするのだ。

 甘いコーヒーは。

 コーヒーを飲むのは、「ほっ」としたいからなのだ。

 まだ身体は休められない。もう少しやることがある。

 そんな時、気持ちだけ少し入れ替えたい。空気を入れ換えるように。

 そしてコーヒーを飲むのだ。

 甘いコーヒーを。