「今 釣りに行きたい と思う。」

 竿が 揺れる

 この糸の先には

 魚がいる



 魚と「直結」していることの 妙



 この 当たり前の不思議さは

 他のことでは味わえない

 そう 思う



 普段軽率な物言いで 人を煙に巻き

 喜んでいるような私だが

 釣りをしている間は 他のことが見えなくなる

  

 竿先を見ている間は

 何もしない

 しゃべるのも 億劫なのだ


 缶コーヒーをすするくらいか


 息を潜めて

 ただ ただ

 竿先のことだけを 


  
 基本 余裕がないので

 単独行だとこうなるが

 最近 職場の同僚達と出かけることも増えた


 どうすれば釣れるのか

 どうやって食べようか

 たくさん釣れたらどうしようか(まぁ 釣れないんですが)


 広がる妄想を楽しめるようにもなってきたと思う

 (この妄想が魚を散らしているような妄想を抱きながら)



 餌を替え

 仕掛けを変え

 大海原へ キャストする


 ・


 ・


 ・


 ぽちゃん






「なんて 飛ばねぇんだぁ…」

 そう

 思いながら…