「ハエだって生き物さ。」

 「ハエ」という生き物は 傍目から見て 切ない生き物である

 近年の昆虫ブームにあっても その評価は上がるわけもない

 嫌われるばかりの虫 それが一般的な「ハエ」観だろう


 「汚い」
 
 「うるさい」

 「駆除しにくい」


 まぁマイナス要素のベスト3は これくらいか

 
 しかし 純粋に生まれたばかりのハエは 汚いはずがない

 腐敗したものをも栄養にできる生命力 それが仇になっている

 餌を探し 次々と触れていく過程で 二次的に清潔なものを汚染してしまうのだ 意図せずに


 「うるさい」については 羽で飛び回る者の宿命か

 テントウムシが飛んでいても 何も言われないのに・・・

 人の耳元を飛ぶことすら厭わない貪欲な食欲 それがまた「ハエ」を支えている


 追っていると その運動量に脅かされる

 危険を察知し いついかなる時もすぐに飛行体制を整える その緊張感にも

 時折 天井で動かない奴もいる やはり疲れるんだろうな と妙に感心したりする 


 以前も書いたが うちは簡易水洗 便漕から湧いてくるのであろう その姿を

 追いかけつつ

 こんな事を 考えていた