しばらく前、「嬬恋」での吉田拓郎・かぐや姫ライブをTVでやっていた。
ちゃかちゃか編集されていない番組で、
コンサートを流しっぱなしという感じだった。
吉田拓郎さんは私のお気に入りの一人でもある。例によってまめなファンではないのだが。
見入った。
曲の中で、気になった曲があった。「唇をかみしめて」である。その時、歌名は不明だったのだが。
レンタルショップでふと「一瞬の夏」というアルバムが目に止まり、歌詞カードをめくると、お目当て
の歌詞があった。特徴のある歌詞で、「~さい。」「~じゃ」という語尾がある。すぐに見つけられた。
解説を読むと「広島弁」という記述。あたたかい雰囲気のする方便である。広島に行きたくなった。
なぜこの曲が良いのか、分からない。
ただしみじみ良いのである。
「さばくもさばかんも・・・」のくだりが特に好きだ。
「結婚しようよ」という曲が有名な吉田拓郎さん。その曲を今は歌わない、というのも有名だ。あれ、
今でもそうかな。その時の「思い」を「歌」として表現しているのだから、「思い」次第で歌いたくなく
なるのも当然。逆にこのことは、吉田拓郎というアーティストをたまらなく魅力的に感じさせた。
聴きたい曲を見つけられた喜び。うれしい。
私はとにかくその曲を聴き続ける、というかたちをとる。
「浸る」のだ。アルバムを借りても、まずは1曲だけ。数日たって、他の曲へ移行する。
身体がその曲を求めているから聴きたくなるのだろう。
精神衛生上必要なのだ。その時の私に。聞き込んだ曲は、再び聴きたくなる時がくる。
この曲も私の大切な一曲に加わってくれた。手元に来てくれてうれしい。