「気ぃ遣わんでええからねと言われても。」

 2サイクルの芝刈り機を持っている

 雑草と戦うためだ

 首のヘルニアがひどくなってからは その芝刈り機を使うのを 奥さんなんかは止めようとするが


 けっこう好きなのだ

 鳴り響くエンジン

 きれいに刈り終わった後の 草の臭いが


 この前 芝を刈ってきた時の話しである

 久しぶりに刈った 雨で草が重く やりにくい

 ただ 次の日に仕事を持ち越すこともしたくなく 強行

 
 刈り終わった後は 後かたづけ

 これが手間が掛かる 刈られた芝が四方八方に散っているのだ

 プラスチックの専用紐を取り付け 削るように刈っていくのだが 何せ飛散する


 雨の日は 道路にへばりつくようにして 散っている

 きれいにするのは大変だな と他人事のように思いながら 

 まずは 刈ってしまおうと エンジンを響かせていたのだが


 近くで もう一つのエンジン音

 エンジン送風機(?)を背負ったおじさんが 私が飛散させた草たちを 風で 元の場所に・・・

 隣の隣に住んでいる方で 以前にもへたっぴな私を見かねてか 手伝ってくれた方だ


 その際は (私よりも数段高性能の)芝刈り機を引っさげ 登場してくれ

 あっという間に 私が残してあった部分を刈ってしまったのだが

 今回は 送風機で登場


 あっという間に草を寄せ終わり

 タイトルの言葉を残して去ってしまった

 世の中 こんな人もいるのです


 前回手伝ってもらったときに お礼を届けにいき

 たしか お礼を受け取ってもらえなかった その方

 もうかなりの高齢だと思うのですが 筋骨隆々としたその方 姿勢もまっすぐ


 品位も何も かないません

 これが 人間として完成する ということなのかしら

 ただ ただ ありがたいと思うばかりであります 


 ありがとう おじさん