「今の歌~歩み/GReeeeN~」





 しばらく気にしなかった 

 青い空に目を懲らすと

 その下の 雪化粧している山肌が 


 やけに きれいに見えた

 無音のなか 次第に目に入る 木々に

 この冬 何回となく雪を載せてきただろうに 

 
 そう吐く息は 

 不整脈のように よどむ流れを生んでいる

 感懐は すぐ失われ 目に映るものは 普段の景色に変わる

 
 ひと時を 同じように 見つめられたら

 寄せては返す波のように あれたら

 世間が ぶれずに 見えてくる はずではないか


 変化は常であり それを受け入れ 乗り越えることが人生であると言いつつも

 自分自身が それを 咀嚼できずに 

 抗っている現実を 襟の陰に隠して 生きる


 一つの理念というものが 脆くも崩れるのを 

 幾多も目の当たりにすると

 いつしか そんなものは存在しない できない 


 そう断じ 生きることの ラクさを 享受することに おぼれてしまう

 一抹の物足りなさを 抱いていることは 措いて

 ただ ただ 


 この 物足りなさこそが 


 私の次の一歩であろう


 そう 思う