「春よ来い。」

 轟と降る雨

 空を見上げるが

 なすすべもない 

 
 澄んだ空気のなか 
 
 少し佇んでいたいが 

 そんな時間もなく

 
 身体に貯まった暖かさが

 奪われる感覚に

 春を疑うのだが 正気に戻る


 少しずつ進む 季節の歩みに

 この年になっても

 ついていけない