「今の歌~月光:鬼束ちひろ」



 「屈服しない」という意志

 そうなのだ

 屈服することは 「終わり」を表すのだと 私も思う


 「屈服」=「負けを認める」 ではない

 頭ナンゾ なんぼ下げてもいいのだ

 「今 いること」 それこそが守るべきもの


 尊厳


 自尊心とは 対極にある

 なぜ自尊心という言葉が出るかと言えば

 このやっかいな思い入れに 縛られている人間が


 概して 

 相手の尊厳を奪おうとするからだ

 許されない


 尊厳 

 この不可侵の 

 カタチないものに 


 全てを そそぐ 姿が この歌にあると

 私は思う

 思うのだ

 
 このライブで

 歌い終わった 鬼束さんは 「ありがとう」と二回言う

 その二回目の「ありがとう」聞くたび


 私は 

 なんとなく

 「有り難い」気分になる